白い鶴よ、翼を貸しておくれ チベットの愛と戦いの物語

2020年10月5日
ツェワン・イシェ・ペンバ(著)星泉(訳)
東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所/書肆侃侃房

内容の紹介

英語チベット文学の祖、ペンバの遺作 White Crane, Lend Me Your Wings: A Tale of Tibetan Love and War の邦訳です。本作品は1925年に東チベットのニャロンという地にキリスト教伝道のために入った若きアメリカ人宣教師夫妻が、チベットという異文化と真剣に対峙し、布教では挫折しながらも、医療活動と子育てを通じて人びとと交流を深めていくさまを描くとともに、中国に呑み込まれていく激動の時代をチベットの人びとがどう生き抜いたかを、史実をもとに克明にかつチベット人らしいユーモアを交えて描いた長編歴史小説です。

本書は、アジア・アフリカ言語文化研究所「多言語・多文化共生に向けた循環型の言語研究体制の構築」(LingDy3プロジェクト)の研究成果の一つとして出版され、書肆侃侃房から一般向けに刊行されることになったものです。

訳者のコメント

星泉(アジア・アフリカ言語文化研究所/教授)
異文化への敬意という今最も必要とされていることが最も太い柱となってこの物語を貫いており、宣教師と領主の友情、そしてその息子同士の友情を通じて読者に訴えかけてきます。また、女性たちがしたたかに、また、激しく生きるさまがしっかりと描かれているのも大きな魅力です。そして異なる信条をもつ者同士の哲学的な対話は作家ペンバが真骨頂を発揮しているところです。日本版オリジナルの絵地図と詳細な解説つき。チベットになじみのない学生のみなさんにもぜひおすすめしたい作品です。


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