デーモン

2020年12月10日
ミハイル・レールモントフ(著)前田和泉(訳)ミハイル・ヴルーベリ(絵)
ECRIT

内容の紹介

かつては清らかな天使だったが、何らかの理由により天界を追放された悪魔(デーモン)が、コーカサスの娘タマーラに恋をする。絶対に結ばれることのない二人の悲恋を、若き天才詩人レールモントフがドラマティックに描き出した物語詩。多くの読者たちを虜にしてきたロシア文学の古典的名作で、帝政末期ロシアの画家ヴルーベリもまたこの作品に魅入られた一人。これに着想した「デーモン」シリーズは彼のライフワークとなり、狂気に陥る晩年まで「デーモン」のイメージは彼の心をとらえ続けた。本書は、『デーモン』の新訳に、「デーモン」シリーズも含めたヴルーベリの作品を厳選し、挿画として添えた詩画集で、言葉と視覚の両方でレールモントフの詩的世界を堪能できる。

訳者のコメント

前田和泉(大学院総合国際学研究院/教授)
レールモントフとヴルーベリという奇跡のコラボレーションを、造本の美しさに定評のあるECRIT社が精魂込めて仕上げてくれました。ヴルーベリの挿画の鮮やかさは、まるでトレチャコフ美術館で実際に彼の絵を見ているかのようです。「物語詩」という形式は日本の読者にはなじみがなく、敷居が高いように思われてしまうかもしれませんが、とりあえず第二部10で、悪の精霊デーモンがタマーラに愛を訴える場面を読んでください。「海の底へも潜ろう、/雲の彼方へも飛んでゆこう、/貴女にすべてを、この世のすべてを捧げよう―/私を愛してほしい!……」なんて切々と口説かれたら、あなたもきっと心がぐらりと揺らいでしまうはず。コーカサスの峻厳な山岳描写も魅力的です。山好きな人にはぜひご注目いただきたいと思います。


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