学生×学長「未来の外語祭へバトンをつなぐ」

2020年11月19日(木)〜23日(月・祝)、第98回外語祭が開催されます。今年度は新型コロナウイルス感染症の影響を受け、オンラインで開催することが決定しました。

外語祭は今から120年前の1900年に始まり、「講演会」(1900年〜1908年)、「語学大会」(1919年〜1928年)、「語劇大会」(1930年〜1936年)、「語劇祭」(1947年〜1954年)、「外語祭」(1955年〜)とその名称を変え、今日に至ります(戦争や学園紛争などにより中断があったため、今年は98回目の開催となります)。今年は120年の歴史で、はじめてのオンライン開催となります。

今回のTUFS Todayでは、この一つの節目の年を記念して、第98回外語祭実行委員会の委員長ら学生9名と林佳世子学長が対談しました。

対談者
  • 林 佳世子 東京外国語大学長(以下「林学長」)
  • 外語祭実行委員会三役局長陣
    委員長 石橋 実和子 さん (以下「石橋委員長」)
    副委員長 菅野 真 さん (以下「菅野副委員長」)
    会計 野口 藍良 さん (以下「野口(会計)」)
    事務局長 鈴木 麻友 さん (以下「鈴木(事務)」)
    屋内-装飾局長 煙山 ゆう さん(以下「煙山(屋内・装飾)」)
    企画局長 高木 紀実 さん (以下「高木(企画)」)
    語劇局長 大竹 未来 さん (以下「大竹(語劇)」)
    渉外局長 石原 望 さん (以下「石原(渉外)」)
    広報局長 鈴木 里彩 さん(以下「鈴木(広報)」)

外語祭への思い

林学長:今年は外語祭をオンラインでおこなうことになり、とてもチャレンジングなことだと思います。オンラインによる開催は、とても勇気ある決断だったと思いますがいかがでしょうか。

石橋委員長

石橋委員長:春から少しずつ議論を重ねて、6月頃が一番の修羅場でした。議論をする上で軸となったのが「未来の外語祭へバトンをつなぐ」ということでした。もうすぐ100回を迎えますが、普通にキャンパスで対面の形で開催をして、万が一不祥事があった場合は、そこで外語祭の歴史が途絶えてしまうかもしれません。一方、外語祭本来の目的である、日頃の学修成果の発表の場が失われてしまってもいいのかという葛藤もありました。議論を重ねて、この状況を包括的に解決する方法として「オンライン」で開催することとしました。

林学長:このコロナの影響を受けて、日本中で伝統的なものが失われてしまうのではないかなどとも言われていますが、思い切った決断をして外語祭をつないでくれて本当に感謝しています。そうは言っても大変ですよね。どんなことが一番大変ですか。

石橋委員長:決断をした後、すべてが一から企画して準備をする必要がありましたので、何を残して、何をやらないのかという線引きが大変でした。結局そこが決まるまで2ヶ月くらい議論を重ねました。実行委員会だけでなく、ほかの在学生にもアンケートをとって企画を詰めて行きました。

コロナ禍でもがんばっています!

林学長

林学長:外語祭実行委員会では、現在は何名の方が活動しているのですか。

石橋委員長:今は119名います。

林学長:それぞれの役員の皆さんにも、今年はどんなことを中心に業務をしているか、苦労していること、工夫していることなどを教えていただけますか。

石橋委員長:委員会のトップに立つ身としては、このような状況になってしまいましたが、委員会の皆がモチベーションを保ちながら楽しんで活動をしてほしいなと思っています。

林学長:今年は違った形での開催となって、皆が楽しんでやっているかというのを把握するのはとても大事ですね。副委員長はどのような業務にあたっているのですか。

菅野副委員長

菅野副委員長:委員会の内部の調整をおこなっています。大学事務局へ提出する書類のとりまとめや各局の時間調整などを主におこなっています。

林学長:委員会内をまとめていくことも大変ですよね。外語祭実行委員会の組織力は、本当にすごいなといつも感心しています。会計も今年は全然違った形態で、苦労があるのではないでしょうか。

野口(会計):はい、このコロナの影響で協賛金などが減少気味なので、そこをどのようにしてやりくりしていくか、ということに苦労しています。前例がないので、それが本当に妥当な価格なのかもよくわからないことも多く、判断に迷うことがあります。

林学長:オンラインでのサービスのコストは、判断が難しいですよね。事務局ではどんなことをしているのですか。

鈴木(事務):事務局は、例年だと1年生の料理店を担当している局なのですが、今年はそれができないことになってしまいました。例年の料理店に代わり、3つのコーナーを企画しています。料理の作り方などを紹介する動画企画、地域文化を紹介する動画企画、1年生がこの半年で感じたことをインタビューしてまとめる動画企画、という主に3種類の企画枠を用意して、専攻語ごとに動画を作ってもらっています。例年と違った形なので、全ての専攻に強制をすることはできないと思い、希望の団体だけにお願いしています。半分以上の専攻が参加してくださっています。

林学長:先日、トルコ語のネイティブの先生から学生たちと料理の動画を撮影したと聞きました。そういうことだったのですね。楽しみにしています。屋内-装飾局はいかがですか。

煙山屋内・装飾局長

煙山(屋内・装飾):屋内-装飾局は、例年ですと、屋内で行われる企画やキャンパス全体の案内表示と装飾を担当しています。オンラインということもあり、やり方が例年とは大きく異なっていますが、大変ありがたいことに、参加団体数が例年とあまり変わらず40団体ほどが参加を予定しています。例年ではなかった新しい企画もできてきています。ダンスやゼミ発表が中心となります。

林学長:それはよかったですね。最近はゼミ発表が増えてきて、学修の成果を発表できる場となっていて良いなと思っていましたので、今年もたくさんの団体が参加してくれているようで嬉しく思います。企画局はいかがですか。

高木企画局長

高木(企画):企画局は、実行委員会の企画を担当する局なのですが、例年人気のある世界の民族衣装など対面でないと難しい企画もたくさんあり、どのような形で開催をするか試行錯誤を重ねてきました。かなり前から今年の企画について、選別や準備をおこなってきたので、コロナ禍になりできなくなってしまった企画もあり残念でした。来場者の皆さんに外語祭を楽しんでいただくために新しく考えていた企画なども、オンラインの形だとなかなかむずかしいものもありました。それでもオンラインの形でも来場者の皆さんに楽しんでいただけるものを用意したいと思っています。

林学長:5日間というのはハードですね。いろんなものを織り交ぜてがんばってくださいね。語劇はいかがですか。

大竹(語劇):今年は、ホールにおいて無観客で上演したものを映像にとり編集した形態のものと、ホールを使わずに接触をさけ、オンライン上で物語を撮影した形態のものと、大きく分けて2種類の形態のものをネット上で公開する予定です。今年は、参加団体は例年より大幅に減ってしまいましたが、12団体が参加予定です。5日間の間にいつでもネットで上演を観ることができます。

林学長:オンラインで行う良い面もありますね。ホールに入りきらないとモニターで鑑賞していましたから、いつでも見られるという点はよいですね。渉外局はどんな状況ですか。

石原渉外局長

石原(渉外):渉外局は、協賛金を集める担当です。今年はオンライン開催ということで企業からの協賛がほとんど集まらなくなってしまいましたが、卒業生の方々からたくさん支援をいただきました。大変厳しい年ではあるのですが、卒業生の方々からの支援に本当に感謝しています。

林学長:OBOGの方も心配していましたよね。でもなかなか遠方で参加できなかった方々もオンラインなら参加できるかもしれませんし、楽しみにされているのではないでしょうか。パンフレットも作るのですか。

鈴木広報局長

鈴木(広報):はい、今年は電子書籍としてパンフレット制作しています。例年は、リピーターの方が多くて、外語祭があるからご飯を食べに行こう、外語祭があるから劇を観に行こう、という方が多かったと思うのですが、今年はそもそもやるのか、やるとしたらどんな企画があるのか、というところがわからない方がたくさんいらっしゃると思うので、そこのところを伝えていくのが一番重要なのではないかと思っています。そのために、今年は例年よりもより広報に力を入れています。今年はオンラインということもあり、会場がウェブサイトなので、サイトを大改造して運営をしています。

新しい外語祭

石橋委員長:オンライン上は、デメリットもあると思うのですが、メリットもあると思っています。例えば、先ほどの語劇もそうですが、その他に、受験生応援企画というのがありまして、例年でしたら遠方で来ることができなかった高校生も、オンライン上なら自宅から参加できます。そう言ったメリットもたくさんあるので、これからの新しい外語祭の先駆けとして先陣を切れたら良いなと思っています。

林学長:大学が行ったオンラインのオープンキャンパスでも地方からの参加者が多かったです。社会人向けに開講しているオープンアカデミーも、この秋からオンラインになり海外からの受講者がいます。違う世界が広がったのだと感じています。外語祭も、語劇をどこからでも観ることができますし、子育てで忙しい方も参加できるかもしれませんね。

石橋委員長:来年度以降も、オンラインで良かった面は残しつつも、ハイブリットな形で徐々に従来の形に復旧していくことになるのかなと思っています。

林学長:料理店などはリアルな形でないとむずかしい面がありますが、メリットは今後も活かしていけると良いですね。他の大学もオンラインでやっていると思いますが、連携や交流などはあるのですか。

鈴木(広報):SNSでお互いの学園祭を紹介し合う企画をおこなっていますし、東京農工大学の学園祭が中心となって近隣の大学の学園祭でコラボ企画をおこなおうという企画が上がってきています。

林学長:ところで、10年後の外語祭はどうなっていると思いますか。

野口会計

野口(会計):語劇や料理店などの目玉企画は残しつつ、ウェブ上で言語や地域の企画を行なっていくとより外大らしさが出るのかなと思っています。

林学長:地域基礎で勉強したようなことやゼミ企画のような勉強したことが反映されるような企画は、オンラインだとやりやすいかもしれませんね。

石原(渉外):2年後には節目の100回を迎えることになるので、その節目で高度な新しい企画も出せていけたら良いのではないかと思っています。

林学長:私は、北区西ヶ原キャンパス*の時代に本学に就職をしたのですが、今とはまた違った雰囲気の学園祭でしたね。府中キャンパスに移転したのは2000年でしたが、皆さんは移転した頃に生まれているのですね。教職員はいまだに「新キャンパス」と呼んでいますが(笑)。移転の歴史は、外語祭にとっても大きな節目でした。西ヶ原キャンパスの頃は、教室で料理店の煮炊きをして、外語祭が終わっても教室に各国料理のにおいが残っていましたね。府中キャンパスでは、円形広場が料理店がおこなえるような構造で設計されて、語劇もプロメテウス・ホールができてから大ホールで行うようになり、外語祭も進化してきたなと毎年見ていて感じています。西ヶ原から府中に移転してきて20年が経って、このコロナ禍があって、また新しいフェーズに入ったのだと感じます。
(*1949年から2000年まで、本学は東京都北区西ヶ原に所在していました)

大竹語劇局長

大竹(語劇):コロナが収束したら、やはりホールにお客さんをいっぱいに入れたい、という気持ちはあります。一方で、大学まで来ることができない方でも観ることができるように、今後も配信していけたらとも思いました。

煙山(屋内・装飾):外語祭を毎年楽しみにして来てくださっている近隣地域の方々や遠方からわざわざ来てくださる方もいらっしゃいます。また対面式のキャンパスでの開催に戻せたらとは思っていますが、こうなった以上、完全に元の形に戻ることはむずかしいのかもしれないとも感じています。なので、海外や遠方にいる方のためにオンラインのコンテンツも残しつつ、懐かしさや変わらないものを継続して行けたらと思っています。

林学長:ピクニックシートを持ってきて定位置で外語祭を楽しんでくださっている家族づれを見ると、本学も府中に定着したなあと感じます。また来てほしいですよね。

鈴木事務局長

鈴木(事務):オンライン配信になってあらためて、いろんな地域の料理店が立ち並んでいて世界中の料理が食べ歩きできるあの空間が特別なものなんだと感じました。来年度以降も衛生面でとても気を使うと思うのですが、あの空間はこれからも変わらず続けて行けたらと思っています。

林学長:これまでも料理店の管理は、アルコールや衛生面の配慮などとても気を遣って取り組んでいただいていて苦労が絶えなかったのだろうと思います。料理店のことを考えるとワクチンが早くできて、早く元通りになってくれることを心から祈っています。

鈴木(広報):オンラインで初めて外語祭に参加してくださる方もいると思いますので、キャンパスではこんなこともするんだよ、という仕掛けをたくさん散りばめて、次年度以降に足を運んでもらえたら良いなと思っています。今年のオンラインは、不本意な面もありますが、来年度以降に向けた広報の期間だと思い意気込んでいます。

多くの方に支えられて

協賛企業の方が記念に作ってくださった「たふくじら」のマスク

林学長:5日間のハイライトはやはり最終日なのでしょうか。

石橋委員長:フィナーレでは生配信でのさまざまな企画を考えています。一番のハイライトになると思いますので、ぜひ多くの方に参加していただけたらと思っています。

菅野副委員長:外語祭は学生が中心となったイベントではありますが、オンラインになることが決まって、学内だけではなく、地域の方々、卒業生の方々、自治体の方など大変多くの方々に支えていただいているのだと実感しました。

林学長:オンラインの開催だと、裏方の皆さんはさらに裏方で目立たなくなってしまいますけど、実行委員会の皆さんが陰で支えているおかげだということは在学生はみんなよくわかっていると思います。本当に体に気をつけてがんばってください。


オンライン外語祭は、メイン会場である外語祭サイトを入り口とし、YouTubeやZoomなどのサービスを通じて企画を公開します。皆様のご参加をお待ちしております!

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