Q&A
※このページの内容は、2023年度以前の入学者を対象としたものです。2024年度以降の入学者のプログラムには変更が生じる可能性がありますので、ご了承ください。
プログラムの内容や目的について
一言でいうと?
東京外国語大学とヨーロッパ連合の大学が合同で運営する博士前期課程のダブル・ディグリープログラムです。 参加学生は、 2 年半のプログラム期間中に、東京外国語大学、中央ヨーロッパ大学(ハンガリー/オーストリア)、フィレンツェ大学(イタリア)、新リスボン大学(ポルトガル)、フランス国立東洋言語文化大学(フランス)の各機関を巡りながら、基礎学習・研究・インターンシップを実践し、本学での合同審査を経ることで、東京外国語大学の修士(学術)と中央ヨーロッパ大学の Master of Arts in History の 2 つの学位を取得することが可能です。プログラムの目的は何ですか?
学術的な視点で歴史に関わる知を生み出し、実践に結びつけることができるグローバルな人材を育成することを目的にしています。とくに 近世から近現代までの時代における歴史の記憶が、あるときは包摂され、またあるときは排除され、グローバル化の中で越境したり対立したりするなかで、現代の社会においてどのように語られ、制度化され、あるいは視覚的に表象されているかを学術的な視点から分析します。この目的のために、「記憶の制度化と歴史の政治化」「歴史の視覚的表象とメディア化」「包摂と排除の歴史」「グローバル社会における境界と越境」という 4 つのテーマを立てています。また、ヨーロッパとの比較の視点から日本を含む東アジアにも射程を広げています。どのような学生を対象にしたプログラムですか?
狭い意味での歴史研究に限定されることなく、幅広く歴史に関心のある学生を対象にしています。 とくに博物館・美術館、ジャーナリズム、放送・デジタルメディア、ビジネス、外交分野での活躍を期する学生にお薦めです。社会人の参加は想定されていますか?
EUは生涯学習社会の実現を目指しており、プログラムとして社会人の積極的な応募を期待しています。既にプログラムに参加している学生にも10年くらいの職歴がある学生が複数含まれています。 東京外国語大学の大学院入試では社会人特別入試が実施されていますが、HIPSの選考には特に社会人枠を設けておりません。なぜ 2 年間半なのですか?
東京外国語大学の参加学生は、春学期は本学の課程で履修と準備を進めます。本プログラムが本格的に開始される秋学期から中央ヨーロッパ大学に移動し、ここでヨーロッパから参加する学生たちと合流します。そこから2 年の修学を経て、翌々年の夏学期に修了し、9 月に修了式を迎えます。このため2 年間半の期間となります。このプログラムは誰が実施しているのですか?
東京外国語大学と中央ヨーロッパ大学をはじめとするEU圏の4大学によって構成されるコンソーシアムが運営しています。 このコンソーシアムは EU による「エラスムス・プラス」プログラムと日本の文部科学省による「大学の世界展開力強化事業」から合同で支援を受けています。 .授業、カリキュラムについて
授業に使用される言語は何語ですか?
本プログラムの使用言語は基本的に英語です。すべての大学における授業の履修、また修士論文/修士研究は英語で進められます。HIPSプログラムに参加した場合、今の指導教員の指導は受けられなくなるのですか?
HIPSプログラムに参加した後も、本学大学院における主任指導教員に引き続き指導を受けます。むしろ、本学の「修士論文修士研究ゼミ」の単位を取得するためには、EU圏の大学に滞在している期間にもメールや通話アプリなどを使って定期的に日本の指導教員の指導を受ける必要があります。HIPSに参加すると、日本語で開講される授業は履修できないのですか?
日本語で開講される授業も履修できますし、本学世界言語社会専攻または国際日本専攻の履修規程に則して、単位として認定されます。他大学では、どのような授業を受講しますか?
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- プログラム参加後、1セメスター目に滞在する中央ヨーロッパ大学と、3セメスター目に滞在するフィレンツェ大学および新リスボン大学で開講される科目については、以下のサイトからご覧いただけます。
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- 上記ページ内の”All Past Courses”には、中央ヨーロッパ大学で過去に開講された科目に関する情報も掲載されています。
- なお、本学で2セメスター目に履修する必修科目、必修選択科目には以下のようなものがあります。
募集要項について
参加資格のある学生は?
東京外国語大学の大学院総合国際学研究科博士前期課程に入学した学生および在籍している学生です。初年度は2020年度からで、毎年最大 8 名まで参加できます。応募するにはどうしたらよいですか?
4 月の時点で本学大学院博士前期課程に在籍する学生から希望者を募り、選抜を行います。選抜方法については希望者に追って連絡します。プログラム参加についての問い合わせはどこにすればよいですか?
参加希望の方は、お電話またはメールにてお問い合わせください。
ダブル・ディグリー修士プログラム「公共圏における歴史」事務局
〒183-8534 東京都府中市朝日町3-11-1
国立大学法人東京外国語大学
E-mail: tenkai-hips-coordinator(at)tufs.ac.jp
※ (at) は @ に置き換えて下さい.
選抜は大学4年生の内に始まるのですか?
HIPSプログラムは本学大学院博士前期課程に在籍する方を対象とするものですので、募集・選抜のプロセスは大学院入学後に始まります。ただし、語学力を示すスコア・レポートの提出が必要ですので、準備は4年生の内に始められることをお勧めします。博士前期課程の1年生しか応募できないのですか?
博士前期課程在学中の方なら、1年生に限らず応募できます。ただしHIPSプログラムは、参加時点から2年間かけて履修する必要がありますので、在学期間がその分延びることにご注意ください。口頭試問は何語で行われますか?
基本的に英語で行われます。IELTSのtest reportには、Listening, Writingなどパートごとの評点と、Overall Band Scoreとが表示されていますが、全パートで基準点(6.5)を超えている必要がありますか?
Overall Band Scoreが評価の基準になります。推薦状は2通とも東京外国語大学の教員のものでなければいけませんか?
推薦状は他大学の先生のものでも構いません。また、学内での専攻やコースなども問いません。指導教員以外にどなたに頼んだら良いかわからない場合は、指導教員に相談するか、あるいは事務局までご連絡ください。 .EU圏での滞在期間について
EU側の研究機関に滞在中、試験の受験などのため、1週間程度帰国することは可能ですか?
試験の受験、医療機関の受診、ご家庭の事情など、やむをえない理由で1週間程度帰国することは特に問題ありません。現地の指導教員によく事情を説明して、理解を得た上で帰国してください。HIPSプログラムを途中で休学したり、EU圏の大学への滞在期間を延長することはできますか?
HIPSプログラムには休学の制度がありません。また、早期修了することや、4セメスターを超えてHIPSプログラムに参加することもできません。 HIPSプログラムの参加を途中で取りやめた場合、中央ヨーロッパ大学のM.A.は取得できませんが、本学の所定単位を取得して修士論文を完成させれば、本学の修士号を取得することは可能になります。EU圏では大学の寮に滞在できますか?
中央ヨーロッパ大学では、ブダペシュト・キャンパス滞在時は学生寮、ウィーン・キャンパス滞在時はゲストハウスに、リーズナブルな価格で滞在することができます。 またイタリアやポルトガルにおいても、同様の条件で、以下のような住居が提供される予定です。- フィレンツェ大学: https://www.unifi.it/vp-10832-accommodation.html?newlang=eng
- 新リスボン大学: https://www.unl.pt/en/life-nova/accommodation
費用、奨学金について
プログラム参加の費用負担はどうなりますか?
1. 学費
プログラムの授業料(18,000 ユーロ≒約 200 万円)は本学が負担するので不要です。支払いが必要な学費は本学への授業料のみです。(授業料免除を申請することも可能です)2. 航空運賃
自己負担。プログラム期間中、日欧間で 2~3往復します。3. 生活・宿泊費
自己負担ですが、これをカバーするために日本学生支援機構(JASSO)の「協定派遣型奨学金」に申請することが可能です。要件を満たせば優先的に受給できます。JASSOの留学奨学金の応募・申請はいつするのですか?
「学位取得型」の奨学金は留学の約1年前にあたる9月頃に応募する必要があります。年度によって、時期に多少の変更がある可能性がありますので、所属されている大学の留学課からのお知らせや、JASSOのウェブサイトなどを定期的に確認するようにしてください。 東京外国語大学の場合、募集要項は以下のページに掲載されます。 http://www.tufs.ac.jp/student/tuition_scholarship/scholarship/nihongakusei.html 「協定派遣型」の奨学金については、大学院入学後、HIPSへの参加(合格)が決定した後に、事務局から申請書を配布します。JASSOの留学奨学金は返済が必要ですか?
JASSOの留学奨学金は「協定派遣型」「学位取得型」ともに給付されるものです。貸与ではありませんので、返済は必要ありません。JASSOの留学奨学金「協定派遣型」「学位取得型」は別の奨学金と併用することはできますか?
できます。しかし受給できる金額の上限や、併用できる奨学金の種類など、さまざまな条件がありますので、十分に確認した上で、留学生課に相談するようにしてください。 一例として、JASSOの海外留学向けの貸与型奨学金などがあります。 https://www.jasso.go.jp/shogakukin/moshikomi/kaigai/index.htmlJASSOの奨学金受給の条件となっている成績評価係数はGPAのことですか?
JASSOが独自に設定している係数で、本学のGPAとは計算方法が異なりますのでご注意ください。A以上=3、B=2、C=1として平均値を出します。 「協定派遣型」では参加の前年度の成績が、「学位取得型」では学部の1年~4年前期までの成績が評価の対象となります。 .修了後にむけて
就職活動のためインターンシップなどに参加することは日程的に難しいですか?
夏季休暇(修士2年目の8~9月)を利用し、インターンシップに参加することは可能です。また、HIPSプログラムの4セメスター目(本学入学後5セメスター目)には必修の授業がないため、時間の融通はつけやすくなるかもしれません。 ただし、修士論文を書くには、かなりの時間が必要ですので、指導教員と相談の上、計画的に準備を進めてください。HIPSに参加しながら、中学校、高等学校教諭専修免許状を取得することはできますか?
世界言語社会専攻に在籍している場合、所定の科目を24単位取得すれば、専修免許状を取得できます。2年半の在学期間の内、少なくとも第1セメスター(HIPSプログラム本格開始前)、第3セメスター(HIPSプログラムの第2セメスター)には本学で授業を受講することになりますので、計画的に履修してください。HIPSを修了した後には、東京外国語大学と中央ヨーロッパ大学、どちらの博士後期課程に進学するのですか?
修士号を取得すれば、制度上、東京外国語大学および中央ヨーロッパ大学に限らず、あらゆる大学の博士課程に進学する可能性が開けます。ご自身の研究内容・研究計画や将来の進路などとの適合性をよく考えた上で、まずは博士課程での指導を希望する教員に相談することをお勧めします。日本の企業に就職を希望する場合、就職活動はいつから可能でしょうか?
HIPSの4セメスター目(修士課程入学後5セメスター目)の滞在機関として東京外国語大学を選択することで、2月から日本で就職活動を行うことは可能です。就職活動の時期や内容は年々変化し、多様化していますので、情報収集に努めてください。 .Q&Aを読んでも疑問が解消されない場合は こちら からご質問をお送りください。