サイトアイコン 日露人的交流の飛躍的拡大に貢献するTUFS日露ビジネス人材育成プログラム

伊藤忠商事モスクワオフィスにてインターンシップ実施


2019年2月4日(月)

モスクワ留学中の派遣学生に対するインターンシップが、 伊藤忠商事モスクワ事務所様のご協力で実施され、10名が参加しました。

ベテラン現地社員の Tatianaさん
CIS代表代行・事務所長の中川さん

はじめに中川所長から、ロシアには都合24年勤務しロシア市場が好きだという歓迎のご挨拶がありました。次に学生が自己紹介をした後、金属部長の Tatiana Snigurさんにロシア語で会社概要とモスクワ事務所の活動についてのプレゼンテーションをしていただきました。Tatianaさんは新卒で伊藤忠に就職して以来勤続25年というベテランで、会社のことをとてもよくご存知です。伊藤忠商事は全世界に展開する 総合商社で、グループ従業員総数9万6千人、ロシアCIS圏にはモスクワ、ハバロフスク、キエフ、アスタナ、アルマトイ、タシケント、そしてアシガバットに事務所があります。本社と同じ「ディビジョン・カンパニー制」を採用しており、テキスタイル、機械、自動車、金属、エネルギー、プラント、化学・木材、食品、開発部といった部があります。伊藤忠の特徴として、もともと繊維産業から始まったためテキスタイルのプレゼンスが大きいことが挙げられます。ロシア・CIS 地域で大きい事業としてはサハリンプロジェクトへの参画とスズキ自動車の販売があります。Tatianaさんが長い勤務経験を通じて見る日露ビジネスの展望は、「いまロシアに対する経済制裁などで厳しい時期ではあるが、ロシア国民の日本文化や日本製品への嗜好を考えると、明るいと思う」と話して下さいました。

宗像さん(左)と山野さん

後半は同じく金属部の山野さん、宗像さんと懇談し、若手の商社マンとしてのお仕事や語学研修のこと、大学時代のことなどを伺いました。お二人とも理系の大学院を卒業されているので、文系の本学学生とはバックグラウンドが異なります。学生の関心が高い「どんな人が採用されるのか?」という質問に対しては、「共通した特徴はないが何かに打ち込んできた人が多い、自分の武器となるものを磨くこと、スポーツやロシア語もその武器となりうる」というお答えでした。ロシア語の学習は会社に入ってゼロから、1年間ロシアの大学で語学研修を受けられました。その間にロシア語検定試験(ТРКИ)の第二レベルに合格することが課されていたので、とにかく必死で勉強したそうです。短期間で身につける秘訣として、ロシア人を見つけては積極的に話をすることというアドバイスをいただきました。 

参加した学生のレポートの一部をご紹介します。

・商社というのは、世界をみることができるところ。莫大な契約金をかけて他の会社と交渉したり、さまざまな地域をまとめてプロジェクトを進めたり、学生からすると将来そんなことができるようになるのだろうかと思うような商社マンの仕事を知ることができた。一方で、どんな困難に感じる仕事でも、やるしかない、だから死ぬ気でやるというようなガッツや根気は、才能や能力のほかに必要とされる大切なものと感じた。今までは、大学で将来企業で働くための知識や能力を得るものだと考えていたが、実際は、企業に勤めるなかで育まれるものが多いのだと感じた。

・前半の質疑応答での、「日露関係の好転でロシア政府からの金融支援の増加や日露間の貿易の増加が見込める。一方でアメリカによる経済制裁の影響もあるので、日露関係だけでビジネスが動くわけではない」というお話が印象に残った。ロシアビジネスを考える際は常に日露関係を軸に考えていたが、他の視点からも見る必要があると気づいた。

・他国との関係づくりにおいて基礎となるルール、環境作りをする外務省の業務に対して、伊藤忠商事はその条件の中で製品の売買、展示会を行うという異なる役割を果たしている。しかし、例えば米中の貿易戦争のような外交における保護主義的動きは商社にとって見逃せないものであり、一方の商社側の担う製品の売買、取引なしに政府の戦略は達成できない。こう考えるとやはり相互の成果が大いに影響しうるものであると感じ、商社の仕事に興味がより湧いた。また、製品の取引だけでなく株式の購入や様々なプロジェクトに参画して、変わりゆく時代に適応しようとする姿勢にも感心した。

・目標を達成するための高い集中力と根気が伊藤忠の社員の方々には備わっていると感じた。自分にはロシア語検定・第二レベルの試験が控えているので、それに向けての準備を集中して取り組んでいきたい。目標に向けて努力し、達成することの繰り返しが自信につながると思う。


* 実施概要

日時: 2019年2月4日(月)15:30-17:00
場所: 伊藤忠商事モスクワオフィス (Representative Office)

    (Savvinskaya nab. 15, Moscow, Russia, 119435)

ご対応(敬称略)
中川正行       CIS代表代行(兼)モスクワ事務所長
Tatiana Snigur 金属部長

山野壮悟       金属部シニア・マネージャー
宗像晃太郎    金属部マネージャー

派遣留学生参加者:10名
熊谷有佳 、安東諒祐、三栖大明、野口貴宏、魚住光泰
柴田紗英、大塚菜央、根本茜、阿部大志、小野愛紬

スケジュール
15:30-16:00 Tatiana Snigurさんによる会社の概要・業績説明

16:00-17:00 山野さん、宗像さんと懇談
17:00           オフィス内見学
この間ずっと中川所長にご同席いただき、随時コメントを頂戴しました。

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