2019年6月22日
留学先で日本文化を発信する活動として、極東連邦大学(ウラジオストク)に留学中の石原知佳さんが現地行われた着物ショーに出演しました。 石原さんからの報告を以下にお届けします。
2019年6月22日、外務省機関・ウラジオストク日本センターが主催する着物ショーに出演しました。
このイベントは毎年行われるもので、ウラジオストクに仕事で駐在する方やそのご家族など20人ほどの日本人が出演するのですが、ご縁があって私も参加させていただくことになりました。
今回のテーマは「八百万の神」で、お正月や節分などの年中行事や座敷わらし、貧乏神といった伝承、はたまたロシアで知名度の高い「千と千尋の神隠し」に出てくるカオナシまで様々な日本文化を寸劇形式で演じながら着物の美しさを見せるという内容になっていました。私は秋の女神・龍田姫の役を頂き、春の女神である佐保姫と季節の交換をするという演目に出演しました。
当日はなんと立ち見も出るほどの大盛況で、大変緊張致しましたが、無事に演技をすることが出来ました。茶道や琴を少しやっていたこともあり、日本で着物を着る経験は何度かあったのですが、海外で着物を着て日本を発信するのは初めてで大変新鮮でした。終演後に知らないロシア人の方に「写真を撮らせてください」と声をかけられたり、「綺麗だった、とても良かった」とお褒めの言葉を頂き、着物という日本が産んだ芸術がロシアでも愛されていることを目の当たりにしました。我々がロシアの音楽や小説、バレエなど様々な文化に魅了されるようにロシアでも日本文化が評価されていることを実感して、大変嬉しかったです。また、恥ずかしながら龍田姫・佐保姫伝説は役をもらうまで全く知らない話であり、勉強になりました。
この着物ショーに出させていただいたり、ロシア人学生と日本やロシアについて話をするうちに、ロシアでは日本に対する興味関心が高く、日本について良い印象を持ってくださる方も多いということを実感致しました。それと同時に、日本の歴史や文化についての掘り下げた質問に答えられないなど自分の知識不足についても痛感し、異文化理解をするためにはまず自国についての理解を深めることが重要だということを学びました。今後は日露ビジネスに携わって行く者として、ロシアのことはもちろん日本についても積極的に知識を取り入れていこうと考えております。
東京外国語大学 言語文化学部 ロシア語科4年 石原知佳