西岡あかね(にしおか・あかね)
東京外国語大学大学院准教授。専門は近現代ドイツ文学、比較文学。
後発的な近代化、戦争、革命による社会変動の大きさから、より急進的な傾向を見せたイタリア、ドイツ、ロシアのアヴァンギャルド運動の中で、
従来の男性化された芸術概念は捉え直しを迫られた。規範的な女性性に抗った女性たちと、
支配的な男性性のゆらぎに応えようとした男性たちをめぐる九つの論考。
アヴァンギャルドが「新しい人間」を探求する中で、(…)既存のジェンダー表象や男性性/女性性の図式に揺さぶりをかけるような
人間像が生み出されたことを踏まえれば、アヴァンギャルドの芸術運動においてジェンダーという問題は、従来考えられてきたような
周辺的なものではなく、むしろ人間について思考するための本質的な意味を持つものだったといえる。(本書序文より)
序文 アヴァンギャルドとジェンダー(西岡あかね)
第一部 アヴァンギャルド運動におけるジェンダー布置
第1章 変容する女性の意識と身体
――ローザ・ロザの小説『三つの魂を持つ女』における変容の感覚(小久保真理江)
第2章 ありえた別のアヴァンギャルドを探して
――エミー・ヘニングスと表現主義(西岡あかね)
第3章 ダダ&構成主義と、女たちの“サフィック・モダニティ”
――ハンナ・ヘーヒとティル・ブルクマンの共生(香川檀)
第4章 男性性ファンタジーと夢
――ラウール・ハウスマンの「ヒュレ」における語りと写真(小松原由理)
第二部 新たな女性像の探究と実践
第5章 顔の危機――ドイツ語圏の表現舞踊における仮面と女性性(山口庸子)
第6章 バウハウスの女性たち――イメージからの脱却と挑戦(柴田隆子)
第7章 女性は躍る――ロシア・アヴァンギャルドとダンス・ブーム(梶彩子)
第8章 新しい女性がまとう服
――ロシア・アヴァンギャルドのコスチューム・デザイン(河村彩)
第9章 ロシア・アヴァンギャルドの〈働く女〉
――ゴンチャローワ、マレーヴィチから社会主義リアリズムへ(前田和泉)
付録 本書に登場した人物
西岡あかね(にしおか・あかね)
東京外国語大学大学院准教授。専門は近現代ドイツ文学、比較文学。
【ジャンル】
【版・貢】
A5変型判・上製・296頁
【ISBN】
978-4-910635-16-3 C0070
【出版年月】
2025年3月31日発売
【付 属】
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3000円(税抜)