われわれが本書を読んで、きわめて面白く感じるのは、清朝中国の権力や交渉の地位にあった者たちが当時どのように考えていたのか、どのように意見を述べたのか、何を感じていたのかが、たいへん的確で絶妙な文章で表現されており、実に生き生きとしているからである。この絶妙なニュアンスの捉え方は中国人ならではのことで、外国人のわれわれには到底及ばない芸当なのである。ここには血の通った人間が描かれている。
訳者による「解題」より
著者紹介
蒋廷黻(しょう ていふつ/Chiang T’ing-fu)
1895年生まれ。中華民国の歴史学者・外交官。コロンビア大学大学院で歴史を学び、哲学博士の学位を取得。1929年に清華大学教授・歴史系主任に就任し、中国の外交史を中心とする近代史研究に従事。1935年、蒋介石行政院長下の政務処長に就任、ソ連大使、国際連合の中華民国代表、駐米大使等を歴任し、1965年にニューヨークで死去。
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- 『出版ニュース』2012年12月号 紹介
歴史
『中国近代史』
『中国近代史』
蒋廷黻 著/佐藤公彦 訳
【ジャンル】
学術書・歴史学
【版・貢】
四六判・上製・272頁
【ISBN】
978-4-904575-22-2 C0022
【出版年月】
2012年11月15日発売
【付 属】
-
本体価格
2500円(税抜)