〈物語の島アジア〉
近現代アジアの優れた文学作品を翻訳で紹介するシリーズ。
東京外国語大学出版会のアジア文学シリーズ『物語の島 アジア』第三弾の作品は、チベットで絶大な人気を誇る作家タクブンジャが贈る9つの物語。
タクブンジャ作品は時にチベット高原における伝統とモダニティの相克を題材とし、また一方では現代社会における複雑な人間関係を描く。
日本の読者に今まで経験したことのない新たな物語のイマジネーションを与えてくれる作品です。 チベット現代文学の「今」だけでなく、その巧みな語り口はチベット好きの読者さまのみならず広く外国文学を愛好する読者さまを魅了する一冊です。
訳者紹介
【海老原志穂 大川謙作 星泉 三浦順子】
訳者の4名はチベット文学研究会を結成し、2004年頃から翻訳活動を開始。2008年より雑誌『火鍋子』(翠書房、2014年終刊)にチベット現代文学の翻訳を発表。また、翻訳書にトンドゥプジャ『ここにも激しく躍動する生きた心臓がある』(勉誠出版、2012)、ペマ・ツェテン『ティメー・クンデンを探して』(勉誠出版、2013)がある。
海老原志穂(えびはら しほ)
東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所研究機関研究員。専門はチベット語の方言研究。
著書に『アムド・チベット語の発音と会話』『アムド・チベット語読本』『アムド・チベット語語彙集』(いずれも東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所、2010)などがある。
大川謙作(おおかわ けんさく)
日本大学文理学部准教授。専門は社会人類学、チベット現代史。
著書に「欺瞞と外部制 チベット現代作家トンドゥプジャの精読から」『中国における社会主義的近代化』(勉誠出版、2010)、「チベット仏教と現代中国」『現代中国の宗教』(昭和堂、2013)などがある。
星泉(ほし いずみ)
東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所教授。専門はチベット語の文法研究。
著書に『現代チベット語動詞辞典(ラサ方言)』(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所、2013)、訳書にラシャムジャ『雪を待つ』(勉誠出版、2015)、などがある。
三浦順子(みうら じゅんこ)
チベットに関する多数の翻訳に長年携わる。
訳書にダライ・ラマ十四世『ダライ・ラマ 宗教を超えて』(サンガ、2012)、『ダライ・ラマ 宗教を語る』(春秋社、2011)、W・Dシャカッパ『チベット政治史』(亜細亜大学アジア研究所、1992)などがある。
メディア・書評・紹介記事
・『週刊新潮』2015年5月21日号:Bookworm 豊崎由美
・『ケトル』2015年6月号:従属せぬ自由と逞しさ 小野田俊蔵
・『北海道新聞』2015年6月21日号:豊崎由美はチベット『ハバ犬を育てる話』を筆頭にアジア文学に吹く風を感じる 豊崎由美
・『婦人公論』2015年6月23日号:アイロニカルな笑いに満ちた現代文学でチベットを知る 豊崎由美
・『チベット文化研究会報TCC』 2015年7月25日:新刊案内 棚瀬慈郎
・『PHPスペシャル』2018年2月号:愛でるばかりが犬ではない 豊崎由美
・『新文化』2022年8月9日:「チベット文学」フェア、全国7書店で開催中
・『読売新聞』2023年6月1日:チベット文学 魅力と現状 人気作家の作品通じ〔東京外国語大学読売講座〕
・『読売新聞』2023年6月4日:チベット文学 奥深さ語る 口承の伝統 現代に残り香〔東京外国語大学読売講座〕
・『読売新聞』2023年6月7日:「天空の秘境」へ 文学の旅〔東京外国語大学・読売講座 詳報〕
【イベント】
新宿歴史博物館講堂 2022年10月8日・9日
チベット現代文学フェス2022
星泉、海老原志穂、岩田啓介、三浦順子、ソナム・ツェリン、大川謙作
TUFSフィールドサイエンスコモンズ
(TUFiSCo)、AA研基幹研究「アジア・アフリカの言語動態の記述と記録:アジア・アフリカに生きる人々の言語・文化への深い理解を目指して」
(DDDLing)共催
東京外国語大学アゴラ・グローバル 2023年6月3日 連続市民講座「世界を学ぶ、世界を生きる」第3回「犬から目線で楽しむチベット文学――『ハバ犬を育てる話』を中心に」
星泉
東京外国語大学・読売新聞立川支局共催