〈物語の島アジア〉
近現代アジアの優れた文学作品を翻訳で紹介するシリーズ。
東京外国語大学出版会のアジア文学シリーズ『物語の島 アジア』第四弾の作品は、 ベトナム国内外の知識人から評価の高いホアン・ミン・トゥオンが贈るベトナム初の大河小説ともいえる物語。
ベトナムで出版された当時、国内に大きな衝撃をもたらし、刊行後すぐに回収処分をうけたにもかかわらず、 多くの読者に読まれ大反響を呼びました。
それほどまでに、本書がベトナムで出版されたことはベトナムの文学史上画期的なことでした。 ベトナム戦争文学に新風を吹き込んだ記念碑的作品の待望の邦訳。
ベトナムの歴史や社会を学ぶ読者さまにぜひ手に取って頂きたい一冊です。
著者紹介
ホアン・ミン・トゥオン(Hoang Minh Tuong)
1948年、ベトナムの農村ハドンに生まれる。大学卒業後、教師などを務めた後、1970年代後半に新聞記者となり、作家活動を開始。1979年に初めての長編小説『冬春米の田』を刊行して以来、20冊以上の著作を発表し、ベトナム国内で高い評価を受けている。2008年に刊行された『神々の時代』は、2014年にはフランス語訳が、翌15年には韓国語訳が出版されている。
訳者紹介
今井昭夫(いまい あきお)
東京外国語大学大学院総合国際学研究院教授。専門はベトナム近現代史。著書に『戦争・災害と近代東アジアの民衆宗教』(共著、有志舎、2014)、『記憶の地層を掘る アジアの植民地支配と戦争の語り方』(共編著、御茶の水書房、2010)などがある。