本書の特長
本書は大学レベルでフィリピノ語を学ぶための教科書で、初歩から中級・上級レベルまでのニーズに対応していますが、独習用として利用できるようにも工夫されています。
本書は全32 課からなり、第1 課以外の各課は会話、文法、練習問題の3 つのステップで構成され、フィリピノ語の文法だけでなく、実践的な能力も習得できるようになっています。
◆ 実践的な会話文
各課の冒頭にある会話文は、その課で学習する文法事項を含んだ身近で実践的な内容になっています。また、会話の中に初めて出てくる単語のリスト、会話でよく使われる表現を頻出表現として、会話文と一緒に載せてあります。
◆ ていねいな文法解説
文法は初歩から上級レベルまで、これだけ知っておけば読み書きにも不自由しないという事項を体系的に学べるよう工夫してあります。わかりやすくするため、必要なときは図表を使って説明してあります。
◆ 理解度を高める練習問題
本文で学んだ文法事項がきちんと理解できているかどうか、練習問題を利用して確認できるようになっています。応用が利くようにするためにも、どんどん練習してください。
◆ 単語力や表現力をアップするために
一部の課には、単語力や表現力アップのために練習問題の後に、テーマ別に語彙力・表現力アップのページを設けています。
◆ フィリピンへの理解を深めるために
一部の課に豆情報やコラムといったページを設け、フィリピンの文化や歴史、社会的背景に関してのちょっとした情報をイラストつきで紹介しています。語学の勉強の合間にお読みください。
◆ 辞典のない方のために
辞典がなくても学べるように、本文中に出てくるすべての単語や文には、日本語訳をつけてあります。また、32 課の後には、日本語見出しの動詞表と本文中に出て来るほとんどの単語を掲げてある単語リストを載せています。
著者紹介
山下美知子(やました みちこ)
国立フィリピン大学大学院言語学科修士修了。1992 年より2016 年まで東京外国語大学非常勤講師、専任講師、准教授をつとめる。現在はNHK 放送通訳。著書に『ニューエクスプレス フィリピノ語』(白社、2010 年)、『フィリピン日常会話』(日東書院、1996 年)、『フィリピノ語会話練習帳』(大学書林、1981 年)、『フリーウェイ タガログ語』(共著、ナツメ社、1994 年)、『フィリピノ語基本単語 2000』(共著、語研、1989 年)、『実用フィリピノ語会話』(共著、大学書林、1989 年)など、訳書に『フィリピン短編小説珠玉選②』(勁草書房、1979 年)他がある。
リース・カセル(Leith Casel)
国立フィリピン大学大学院言語学科修士修了。1975 年から1978 年まで国立フィリピン大学言語学科の講師をつとめ、1978 年から1981 年までは日本政府国費留学生として大阪外国語大学と筑波大学で学ぶ。1992 年から東京外国語大学非常勤講師と客員講師を歴任、2005 年からは拓殖大学でも教える。著書に『外国人と日本人医師の臨床会話集8 フィリピン語編』(共著、三修社、1992 年)、『フィリピン語 生活場面事典』(共著、三修社、1998 年)、『フィリピノ語基本単語2000』(共著、語研、1989 年)他がある。
高野邦夫(たかの くにお)
国立フィリピン大学大学院フィリピノ語・フィリピン文学研究科修士修了。2004 年から東京外国語大学、拓殖大学で非常勤講師をつとめる。訳書に『キリスト受難詩と革命:1840-1910 のフィリピン民衆運動』(共訳、法政大学出版局、2005 年)、論文に「Araw na Pula sa Perlas ng Silangan: Ang Representasyon ng Hapones sa Apat na Akdang Pampanitikan(東洋の真珠における日の丸:4 つの文学作品における日本人の表象)」他がある。