アルベール・サロー(Albert Sarraut)
1872年(普仏戦争敗戦の翌年)7月、フランス、ボルドーにて生まれる。パリに進出後、急進社会党に属し、植民地統治問題に関心を深める。インドシナ植民地連邦総督を二度務め、その後植民地大臣、海軍大臣、内務大臣、国務大臣、さらに首相の要職を各々数度にわたって歴任した。第三共和政期フランスを代表する植民地理論家であり、1923年に発表した『フランス植民地の開発』(La mise en valeur des colonies françaises)は675頁に及ぶ大著であり、その中でサローはフランス領植民地各々の資源、開発状況等を詳説しているが、植民地での衛生環境、社会教育環境を充実させる必要を強調している。1962年11月、パリにて没した。
小川 了(おがわ・りょう)
1944年生。東京外国語大学名誉教授。西アフリカ、セネガルを中心にした民族学・歴史を専攻。著書に『第一次大戦と西アフリカ フランスに命を捧げた黒人部隊「セネガル歩兵」』(刀水書房、2015年)、その他。