ファム・コン・ティエン
1941年、ベトナム南部ミィトー生まれ。詩人、思想家。13歳で正規の教育をドロップアウトし独学を続け、10代半ばより執筆活動を始める。評論集『文芸と哲学における新しい意識』(1964年)、詩集『蛇の生まれ出づる日』(1966年)、思想書『深淵の沈黙』(1967年)、小説『太陽などありはしない』(1967年)といった1960年代半ばより発表された一連の著作によって、ベトナム戦争当時の南ベトナムで話題となり時代の寵児となる。1966年から1970年まで仏教系私立大学万行大学文学・人文科学学部の学部長を務める。1970年に南ベトナムを去るのと同時に断筆。1975年から1983年までフランスのトゥールーズ大学で西洋哲学の助教授を務めた後、アメリカに移住。1987年に執筆活動を再開し、小説『地上における荒廃した一夜の果てへ』(1988年)、詩集『一切頂上には寂静』(2000年)の他、文学・哲学・仏教思想に関する多くの著作を発表。2011年、テキサス州ヒューストンにて没。