科学的政治学を牽引してきた、あの『レヴァイアサン』の最新号で、反原発運動などデモの研究で有名な五野井郁夫先生が、「「民主政治における「政治の道徳化」」」と題した拙著『反市民の政治学』の書評を書いてくださりました。
南世界の貧困など、国境を越えた不正義の解決を目指すグローバル・ジャスティス運動の運動の文脈に、私の「政治の道徳化」の議論を援用してくださり、私自身も勉強になりました。机上の研究だけでなく、様々な運動の現場でも、拙著のメッセージが少しでも役立てば、とても嬉しいです。
私は、統計や数式やゲーム理論を駆使する近年の科学的政治学にまったくついていけず、大きな劣等感をもってきました。高校生の時にマンガと部活と昼寝ばかりで、とことん数学で落ちこぼれてしまったのが悪かったのです。高校数学の教科書を買って勉強し直そうとしてみたのですが、数字を見ると眩暈がおきてしまい、3桁以上の計算ができないのです。
そんな政治学の端っこの端っこにいた私が、劣等感半分、開き直り半分で書いた本が、まさか、科学的政治学の本丸『レヴェイアサン』で取り上げてもらえるとは、驚きです。「数学わからない」といじけてないで、もっと対話していかないとダメなのでしょうね。
拙著を取り上げてくださった書評委員の先生方、書評をかいてくださった五野井先生、ありがとうございます。