アジア・アフリカ言語文化研究所(AA研)情報資源利用研究センター(IRC)の デジタル・リソース・プロジェクト


東京外国語大学には、アジア・アフリカ言語文化研究所(通称:AA研)という附置研究所があります。AA研は、アジア・アフリカの諸地域を主な研究対象とし、言語学・人類学・歴史学・地域研究の各分野の研究が行われている文部科学省認定の国際的共同研究拠点です。

AA研は、次の3つを使命としています。
1)臨地研究(フィールドサイエンス)に基づく共同研究の推進
2)研究資源の収集・分析・編集および研究成果の発信
3)共同研究や研修・セミナー等を通した次世代研究者の養成

上記の2つ目の研究資源の収集・分析・編集および研究成果の発信を主に担うのが、「情報資源利用研究センター(IRC)」です。IRCは、1997年の文部省令による設置後、デジタル化による研究資源の共有を進めるため、情報資源の蓄積・加工・公開・活用研究を積極的に行っています。この20年間でウェブサイトに公開したデジタル・リソースは100をゆうに超え、対象地域の幅広さ、情報資源の多様さにかけては、人文系の研究所としては類を見ないものとなっています。

2019年4月25日(木)に開催されたIRCプロジェクト(2018年度)成果発表会では、2018年度におこなわれたIRCプロジェクトについての紹介がおこなわれました。

今回のTUFS Todayでは、この成果報告会で紹介されたプロジェクトを紹介します。

アイヌ語音声資料の文字化テキスト対応付けと公開

Online Text of Ainu Collected by Suzuko Tamura


プロジェクト代表者:奥田統己(札幌学院大学教授)、山越康裕(AA研准教授)
https://ainugo.aa-ken.jp/
http://ainugo.mond.jp/
アイヌ語研究者である故・田村すゞ子氏により採録されたアイヌ語資料のオンライン版です。対応する日本語訳が付されたアイヌ語(カタカナ表記・ローマ字表記)を見ながら、ポーズによる切れ目ごとに音声を聞くことができます。

モンゴル諸語対照基本語彙データベース

Database of Basic Vocabularies in Mongolic Languages

プロジェクト代表者:山越康裕(AA研准教授)
https://mongolicbv.aa-ken.jp/index.htm
公刊資料に記載されたモンゴル諸語間の基本語彙を検索・対照するためのデータベースです。2019年4月現在、10の言語・方言のデータとモンゴル文字・キリル文字正書法による語形とが収録されています。

MatsyaProjectマイクロフィルムのデジタル化

Digitization of Matsya Project Microfilms

プロジェクト代表者:置田清和(上智大学助教)、小倉智史(AA研助教)
http://www.aa.tufs.ac.jp/~ogura/project/matsya/index.html
インドの各写本図書館、寺院に収蔵されていたヴィシュヌ教関連作品1679点の写本を、アメリカのスミソニアン博物館がMatsya Projectという企画のもと1980年代にマイクロフィルム化しました。マイクロフィルムの経年劣化によって利用できなくなることが心配されたため、この度写本の画像をjpgファイル形式でデジタル化したものです。

チュルク諸語対照基礎語彙(第5期)

Turkic Basic Vocabularies (Phase 5)


プロジェクト代表者:児倉徳和(AA研准教授)、風間伸次郎(東京外国語大学教授)
https://turkbv.aa-ken.jp/turkbv2018/index.html
チュルク諸語の基礎語彙の音声付きデータベースです。インターフェースは日本語のほか英語・中国語も利用可能です。現在、13の言語の24の変種(文語等文字資料も含む)が利用可能です。

Old Tibetan Documents Online



プロジェクト代表者:星泉(AA研教授)、岩尾一史(龍谷大学准教授)
http://otdo.aa-ken.jp/
古チベット語文献のテキストデータベースです。碑文史料と中央アジアの出土文書に書かれている古チベット文を収集してデータベース化しており、Key Word in Contextによる検索を行うことができます。また各文献の主要な研究の情報も提供しています。

マレー語言語地図の作成とその元となるデータ収集のシステム開発

Making a Linguistic Map of Malay Varieties and Developing the Data Collecting System for the Map


プロジェクト代表者:塩原朝子(AA研准教授)
https://malayvarieties.aa-ken.jp/?page_id=136

AA研共同利用・共同研究課題「マレー語の変異の研究」でメンバーが調査を行なっている地点とそこで話されている変種名を示す地図です。地図からは各変種のページへのリンクが貼られています。(各ページには2019年度に内容を入れる予定です)

シャルダン『ペルシア旅行記』画像資料デジタル・ライブラリー構築

Constructing a Digital Library of the Illustrations from ‘Voyages du chevalier Chardin en Perse’


プロジェクト代表者:近藤信彰(AA研教授)
http://chardinperse.aa-ken.jp/

17世紀にイランを旅行したジャン・シャルダンの旅行記の図録(AA研所蔵)のデジタル・ライブラリーです。2018年度は、画像資料のデジタル化とダウンロードできるサイトの構築が目標で、それを達成しました。

オスマン演劇ポスター画像公開

Publication of Ottoman Theatrical Posters Data Base


プロジェクト代表者:江川ひかり(明治大学教授)
http://osmanlitiyatro.aa-ken.jp/

AA研所蔵のオスマン帝国末期の演劇ポスター・プログラム170点の画像を、劇団名、演目、上演年月日、劇場などの基本情報を含んだ「劇団別基本表」とともにデータベース化してウェブ上に公開しています。

カチン・ポータルサイトの構築

Kachin Portal Site


プロジェクト代表者:倉部慶太(AA研助教)
http://kachin.lagoinst.info

カチン人の言語文化に関する情報資源を効率的に探し出すための玄関口となるポータルサイトです。カチンの言語・文化・社会・宗教の紹介、カチン諸語の音韻・形態・文法・語彙の紹介、カチンに関する検索可能な文献目録などを公開しています。

『清文彙書』デジタル画像化

Digitization of the Qing Wen Hui Shu


プロジェクト代表者:早田清冷(AA研特任研究員)
https://manjuisabuhabithe.aa-ken.jp/

本プロジェクトでは、満洲語漢語辞典である『清文彙書』(1751)の個人蔵本をデジタル画像化しました。将来的に、オンラインにて公開することを目指しています。

Unicode対応多言語テキストを簡単に作成する補助ツールの作成と公開

Development of a Simple and Web-based Input Method for Unicode Multilingual Text


プロジェクト代表者:高橋洋成(AA研特任研究員)
https://easy-multiscript.aa-ken.jp/

テキストに埋め込まれたLaTeXライクなコマンドを、Unicode文字列に変換するシンプルなウェブツールです(たとえば、\textipa{/\!da:\!b\|x{i}d\|x{i}/} → /ɗaːɓı̽dı̽/)。コマンドは利用者からも自由に定義できます。

モンゴル語および関連諸言語用ソフトキーボード

Software Keyboards for Mongolian and Related Languages

プロジェクト代表者:山越康裕(AA研准教授)
https://mongolicbv.aa-ken.jp/list_of_webkeyboard.html

モンゴル語および関連諸言語の入力をブラウザ上で簡便におこなうためのソフトキーボードです。現在、キリル文字正書法のあるモンゴル語、ブリヤート語、カルムィク語、モンゴル文字、モンゴル文字ラテン字転写をブラウザ上で入力し、入力することができます。


アジア・アフリカ言語文化研究所 情報資源利用研究センター

https://irc.aa.tufs.ac.jp/

前のページに戻る

to top - トップに戻る