東京外国語大学学術データ管理支援

東京外国語大学学術データ管理支援

東京外国語大学では、論文や学術データの公開等を通じ、オープンアクセスを含むオープンサイエンスの推進を支援しています。
このサイトでは、学術データの公開のための全般的な情報の紹介や、東京外国語大学が行っている学術データ管理を支援する取り組みを発信しています。

オープンサイエンスとは

オープンサイエンスとは、社会に広く開かれた研究活動のことを指し、世界的に広まっている動きです。
論文などの研究成果だけでなく、研究の過程で作成・収集した学術データを適切に管理することによってデータ駆動型研究の発展や社会における利活用が期待されています。

オープンアクセスとは

オープンアクセスとは、論文などをインターネット上で公開し、誰でも利用できるようにすることです。
オープンアクセスにより、学術情報が様々な制約なく入手できるようになり、学術研究の発展に寄与します。
研究者自身にとっても、論文が引用される可能性が高まるなど、メリットがあります。

東京外国語大学では2023年3月22日に「東京外国語大学学術データ管理・公開ポリシー」を制定しました。
これは、東京外国語大学の研究者が学術データを管理・保存・公開するための指針となる原則を掲げたものです。
学術データを適切に管理・公開することにより、学術研究の広範囲にわたる発展に貢献します。

ここでいう学術データとは、本学における研究活動において収集または創出された情報を指し、デジタル・非デジタルを問いません。
学術データの例としては、研究の過程で生成された音声・画像・映像などの一次データ、一次データより生成された分析データ、分析され研究成果に示されている情報などが挙げられます。

研究者の方は、法令、学内の倫理基準や規程その他これに準ずるもの、学術データの性質やそれぞれの研究分野の要件に従って学術データを管理する必要があります。
また、共有・公開に関しては上記の各種基準・規程等に加え地域・社会の特質を踏まえた倫理的要件に従う必要があります。

従うべき各種基準・規程等については、ポリシー解説に記載がありますので併せてご確認ください。
解説では、ポリシー本文に沿って考え方や参照情報など詳しい説明を加えています。

東京外国語大学学術成果コレクションでは、学術データの登録・公開が可能です。
附属図書館では学術データの公開支援を行っていますので、まずはお気軽にご相談ください。

公開までの流れ

研究者
研究者

以下の2点を提出します

送付先:data_inq[at]tufs.ac.jp
研究協力課・<br>図書館
研究協力課・
図書館

データの公開条件などを確認し、登録申請書をお送りします

必要に応じて、データの取り扱い方のご希望などをヒアリングします

研究者
研究者

以下の2点を提出します

※データ容量が大きい場合、データの受け渡し方法について別途ご相談ください
送付先:data_inq[at]tufs.ac.jp
  • 学術データ
  • 登録申請書
図書館
図書館

提出されたメタデータに基づいて学術データを機関リポジトリに登録します

登録完了後、URLをお知らせします

学術データにまつわる一連の流れ

次のフローは本学に所属する研究者の方々がデータを公開するまでの一連の流れのモデルです。
研究プロジェクトの開始から終了までのステップとステップごとの研究者のタスクを示しています。
各ステップやタスクの詳細はステップ名をクリックすると確認できます。

  • STEP0

    データ管理計画(DMP:Data Management Plan)は、データの作成、整理、文書化、保存、および共有の計画を説明する文書です。
    研究プロジェクト開始から終了に至るまで適切に学術データを管理できるよう、多くの研究助成機関でDMPの提出が求められるようになっています。

    タスク:データ管理計画 データ分析

  • STEP1

    収集(データ収集)とは、実験機器や他の方法(アンケートや観察など)を用いて、情報を収集するプロセスです。
    データの収集方法は、分野や研究対象によって異なりますが、データの品質を確保することが重要です。

    タスク:データ整理 データ品質 データストレージ 文書化とメタデータ 既存データ 識別子 センシティブデータ

  • STEP2

    加工(データ処理)とは、プロジェクトにおいて、データを目的のフォーマットに変換し、分析の準備をする段階を指します。
    データ処理には、新しく収集されたデータを、標準化された手順に従ってフォーマット変換し、品質チェック、前処理を行うワークフローが含まれます。

    タスク:データ分析 データ整理 データ品質 センシティブデータ

  • STEP3

    分析(データ分析)とは、収集したデータを調べてデータセットの傾向を判断したり、統計(またはモデル)を利用してデータ間の関係を特定したりすることです。
    データの種類(量的または質的)に応じて、データ分析の方法は異なります。
    データ分析は、データ処理(多くの場合、自動化されたバッチ処理)の後に行われます。

    タスク:データ分析 データ整理 データストレージ

  • STEP4

    データ保存とは、データの安全性、完全性、およびアクセス性を必要な期間(場合によっては数十年)にわたって確保するために必要な一連の活動です。
    データ保存は単なるデータストレージやバックアップではありません。
    なぜなら、データを保存しなくてもデータの貯蔵やバックアップができるからです。

    タスク:データ整理 データ公開 データストレージ 文書化とメタデータ

  • STEP6

    データの再利用とは、データを本来の収集目的とは別の目的で使用することです。
    データの再利用は、科学の分野では特に重要です。
    なぜなら、異なる研究者が同じデータに基づいて分析し、研究結果を発表することができるからです。

    タスク:データ分析 既存データ 識別子 ライセンス

引用箇所の出典:国立情報学研究所オープンサイエンス基盤研究センター. “Research Data Management Kit-jp“. 2022.

政策動向

研究者向け

  • はじめての研究データ管理 : 研究室の日常から by 九州大学附属図書館 (2021.6 Issued)
    国立大学図書館協会の「オープンサイエンスの推進に向けた先導的事業」(令和 2 年度)の予算措置を受け、研究データ管理・公開に関する研究者への啓発活動に用いる e ラーニング教材として製作されたもの。
  • 研究者のための研究データマネジメント by JPCOAR研究データ作業部会 (2020.10 Issued)
    研究支援者としての目線から、大学や研究機関等に所属する研究者の方に向けて作成された教材集。
  • オープンアクセスハンドブック. 第2版 by 東京大学附属図書館 (2017.10 Issued)
    研究者がそれぞれの研究スタイルや研究コミュニティに合った学術研究成果の公開手段を選べるよう、オープンアクセスの沿革と様々な種類のオープンアクセスの実現方法について説明している。
  • 学術論文等のオープンアクセス化の推進 by 内閣府 (2023.10.30 Issued)
    総合科学技術・イノベーション会議(CSTI)有識者議員懇談会が開催され、議論のとりまとめとして公表された。