[TUFS] UCRにて学生がTP-WorkshopおよびオフラインTP学生ワークショップに参加しました(2022年6月3〜4日)
2022.08.18
2022年6月3〜4日に東京外国語大学(TUFS)にて実施のCOIL型授業で優秀な成績を収めた学生2名を選抜し、アメリカのカリフォルニア大学リバーサイド校(University of California, Riverside: UCR)にて開催されたTP-Workshop(*)への参加と、COIL型授業によりオンラインで交流したアメリカの学生とオフラインで討議する学生ワークショップへの参加の機会を提供しました。新型コロナウイルスの影響により、3年ぶりの開催となりました。
TP-Workshopは6月3〜4日に「Co-Productions – Literature, Film & Diaspora -」をテーマに開催され、帝国主義や人種、ジェンダーといった多様な発表が行われました。参加した学生にとって、それぞれの関心を深め専攻とは異なる分野の発表につき勉強し、知見を広める機会となりました。研究者の学術発表会に参加することで、彼らの今後の研究に資する経験となりました。
TP学生ワークショップは6月4日に行われました。2名のTUFSの学生からはそれぞれ、「Changes in US-Japan relations and the system of international cooperation after the Gulf War」および「Atoms NOT for Peace」と題した発表が行われました。日米の知識・文化・言語の交換がなされ、学生たちは親交を深めオフラインならではの交流の場となりました。その後、学生たちはアジア系移民への人種差別に対して抵抗した原田重吉氏の家とされる「Harada House」を訪れ、カリフォルニアと日本の歴史的つながりについても学びました。
※TP-Workshopとは
Transpacific Workshopは、アメリカ西海岸の大学で日本研究にとりくむ教員から大学院生までが、もっとも新しい日本研究の動向に触れるために、またさまざまな研究上の日米協働の機会を模索するために、一年に一回、だいたい六月期に実施する開かれたワークショップのことです。これまではだいたいUCLAでテラサキセンターのご助力をいただきながら開催されてきましたが、今後は、UCで順繰りに開催していくことを考えています。このワークショップは、型どおりのいわゆる学術コンファレンスとはすこし趣を異にし、その運営には大学院生が運営に深くコミットしてきています。日本側からは、東京外国語大学の研究者(岩崎稔教授、春名展生准教授、小田原琳准教授、上原こずえ講師ら)とともに、多年にわたってアメリカの研究者と連携関係を構築してきた日本女子大学の成田龍一先生(歴史学)をはじめ、早稲田大学の鳥羽耕史先生(日本近現代文学)、国際日本研究センターの坪井秀人先生(日本近現代文学)、武蔵大学の渡辺直紀先生(コリアンスタディーズ)が加わっています。また、毎年、きわめて緩やかなテーマを設定し、それぞれの研究者が世代や専門分野を超えて、ある意味で途上のアイデアを伸びやかなスタイルで報告し、それに参加者が多面的に意見を述べあうというセッションを多数重ねているのです。そのため、これまでのテーマは、3.11を強く意識して立てられた「傷wound」とか、消費社会の多様な文化現象などを想定した「戯れplaying」、さらに非正規論労働者が拡大する現代資本主義も念頭においた「危うさprecariousness」など、いたって広いものになってきました。こうした太平洋を越えた交流が背景になって、本学の世界展開力事業も発案されています。
(元東京外国語大学教授 岩崎稔)
参加学生の報告書: