Estudamos Português! ~日本とポルトガル語圏の架け橋に~ :外山朝陽さんインタビュー

Olá(オラ)!ポルトガル語を学ぶ学生の団体「Estudamos Português!(意味「ポルトガル語を学ぶ」)」をご存知ですか。2018年11月に本学学生により設立された学生団体で、現在、本学のほかに、大阪大学、上智大学などポルトガル語を学べる大学の学生約70名が参加しています。

今回のTUFS Todayでは、昨年12月からこの団体の代表を務める外山朝陽(とやまあさひ)さん(本学国際社会学部ラテンアメリカ地域/ポルトガル語3年)にインタビューしました。

インタビュー・取材担当:言語文化学部ドイツ語1年・太田陽菜さん(広報マネジメント・オフィス学生取材班)

左:外山さん 右:太田さん

ポルトガル語圏の文化をもっと広めたい!

——先日「Estudamos Português!」が発行するフリーペーパーの第3弾が発行されましたね。1ページ1ページ丁寧に作られていて、デザインがキレイで魅了されました。記事も興味深い内容でとても面白かったです!

ありがとうございます。

——まず、団体についてお伺いしたいのですが、どのような経緯でこの団体は設立されたのでしょうか。また、普段はどのような活動をしているのでしょうか。

2018年に設立された団体で、当時ポルトガルやブラジルに留学していた先輩たちが、ポルトガル語圏の文化をもっと広めたい!との思いからこの団体を設立したと聞いています。日本とポルトガル語圏の文化交流を促進するためのフリーペーパーの発行や、ポルトガル語のオンライン会話を行うスピーキングセッションなどの活動をおこなっています。現在はコロナ禍ということもあり、主にオンラインでの開催となっていますが、ポルトガル語圏の地域について学ぶイベントも定期的に開催しています。

——活動をしていてやりがいを感じるのはどんな時ですか?

学生だけの力で大きなプロジェクトを動かしていることにとてもやりがいを感じています。フリーペーパー制作のための取材交渉から記事の発行まで全部自分たちの手で行っています。今年発行のフリーペーパーには、ポルトガル語圏のオリンピック・パラリンピック関連の情報を掲載しています。記事を集める際にまずポルトガル語圏のさまざまな国の関係者の方々にメールを送って、インタビューをお願いしました。そしてモザンビークのパラリンピック選手の話を聞くことができました。パラリンピックに関してモザンビークで抱えている問題、例えば予算の振り分け、給与の支払い、トレーニングの提供などにアンフェアなところがあるなど、普通では直接聞けないようなことをインタビューすることができました。また日本に対してのイメージや両国間のこれからの関係構築に向けたメッセージも話していただきました。そういった現地の方々の率直な思いが聞けてよかったです。

モザンビークの選手にインタビュー中の様子

——フリーペーパーの発行にかかる費用はどうしているのですか?

「CAMPFIRE」というクラウドファウンディングサービスを使って、資金を募っています。また、ご厚意で寄付してくださる方々の支援金や、フリーペーパーの広告収入もあります。ご協力していただいた方々にはフリーペーパーに加え、返礼品としてポルトガルやブラジルの食料品などをお届けしています。支援していただけるのは本当にありがたいので、そのような形で少しでも感謝の気持ちを伝えられたらいいなと思っています。お互いに幸せな気持ちになれる関係を構築できることにとても喜びを感じます。

これまでに発行したフリーペーパーと今年発行のフリーペーパー。
No.3は3000部を発行。42人もの方から寄付にご協力いただきました。

——「Estudamos Português!」の今後のイベント情報を教えてください。

7月10日に本学の舛方周一郎先生にご協力をいただいて、ブラジルの環境に関するオンライン講演会をする予定です。また9月4日にサントメ・プリンシペ民主共和国の名誉領事にご協力いただき、国の紹介や両国関係の展望についてオンライン講演会でお話しいただきます。

好きなポルトガル語で何か誇れる活動がしたい!

——代表を引き継いだ時の心境を教えてください。

僕自身この活動に参加し始めたのは、1年生の冬でした。そこでフリーペーパーの発行や、スピーキングセッションの運営に携わりました。2年生の夏に代表をやらないかと声をかけられた時、それまでにリーダー職についたことがなかったので、大きな団体をうまくまとめられるか不安はありました。学級代表などにはなりたくないタイプだったんですよね(笑)。でもポルトガル語が好きだから、ポルトガル語を使って何か誇れる活動がしたい!という思いが大きくありました。そのため、自信を持って代表を引き受けることにしました。運営に関する課題もまだまだありますが、頼りになるチームメンバーと協力しながら、この団体の活動がもっと良くなるように日々努力しています。

——外山さんがポルトガル語を学び始めたきっかけはなんですか?

僕は愛知県の豊橋市出身で、その中でも特にブラジルからの移民が多い地域に住んでいました。近所にはブラジルスーパーやピザ屋さんがたくさんあったのですが、なんだか異色な感じがして最初は怖かったんですよね。でも内心ではずっと興味はあって。いざ入ってみたら、今まで感じたことのない空間というか。匂いも違うし飛び交っている言語も違って、これは面白い!と思いました。
それで中学校からポルトガル語を学び始めました。ブラジルにルーツのある後輩とポルトガル語で会話していく中で、ますますポルトガル語の魅力に引き込まれました。
あと小学校でスペイン語を学んでいたのも理由の一つで、ボルトガル語はスペイン語に似ているので学びやすいかなと思ったんです。

——小学校でスペイン語を学んでいたのですね!それはどうしてですか?

車に夢中の幼少期の外山さん

幼い頃から「F1」(車のレース)が好きで・・・当時You TubeでF1の動画を探したら、英語やスペイン語、フランス語などF1のドライバーの出身国の言語の情報ばかり出てきたんですよね。スペイン人のドライバーのファンだったので、その方の話していることを理解できるようになりたいと思ったのがきっかけで、スペイン語を覚え始めました。

——高校時代は、ポルトガル語をどのような場で使いましたか?

ブラジルコミュニティのイベントに通訳ボランティアとして参加したり、ポルトガル語のスピーチコンテストに参加しました。スピーチコンテストでは「在日ブラジル人と自分の関わり」を題材にして、2回優勝しました。

——進学先に東京外大を選んだ理由は?

ブラジルに興味があったので、ブラジルについてより深く学べる大学を探し、東京外大という選択肢にたどり着きました。また国際的な分野についても深く学びたかったのですが、本学にはそういったカリキュラムもあったので進学を決めました。
実際に東京外大に入っていろいろな人々と交流する中で、ブラジルに対する興味だけでなく、世界の国全体に対する興味も広がりました。現在は移民に関する分野とそれに関連する国際問題について、国際法のゼミで学びを深めています。

国際法のゼミに所属

その言語を話す人々の国民性を理解して話す

——団体の活動や大学生活でも、さまざまな国の人々とさまざまな言語で会話をする機会が多いと思います。外山さんが外国語でコミュニケーションをする時に大事にしていることはなんですか?

あまり一般化するのは良くないと思うのですが、その言語を話す人々の国民性みたいなものを理解して話すようには意識しています。その言語を勉強しながら、その国の人になったような気持ちで話すようにしています。例えばポルトガル語を話している時に、日本語のように「すみません」「ごめんなさい」をたくさん使用してしまうと、ブラジル人は表面的な言い方にかえって不快に感じてしまうことがあるんです。だからブラジル人が一般的にどういった話し方をするのかとか、どういった反応をするのかを理解として持った上で、会話をするように心がけています。

——なるほど。ポルトガル語を話す時、日本語を話す時とは性格のようなものが変わることはありますか?

そうですね、変わりますね。ポルトガル語を話すときはかなりフランクな性格になりますね(笑)。その言語の表現にも国民性が表れているというか。例えば、ポルトガル語でさようならの表現に「Beijo(ベイジョ)」という言い方がありますが、それは直訳すると「キス」って意味なんです。あと「Abraço(アブラッソ)」というさようならの表現は直訳すると「ハグ」っていう意味があったりするんですよね。ブラジルでは実際に別れ際はチークキスをしたりハグをしたりすることがあるので、それを自然にするようになります。

——最後に、外山さんの将来の展望を教えてください。

本学での学びに加え、「Estudamos Português!」の活動を通じて、異文化間のコミュニケーション力、交渉力が養われていると感じています。その経験を存分に活かして、将来は、国際機関で働き国際移住や難民問題の解決に貢献していけたらと思っています。

参考

Estudamos Português! ウェブサイト
https://estudamos-portugues.amebaownd.com/

インタビュー後記
今回東京外大の憧れの先輩に話を伺うことができて、とても嬉しかったです。何事にも真摯に取り組まれていて好奇心旺盛な外山さんの姿を見ると、私ももっといろんなことを学びたい!と触発されました。ポルトガル語、英語、スペイン語だけでなく、フランス語も堪能で完璧超人の外山さんですが、お話してみると気さくな方で、犬とたわむれている時が至福の時であるという一面にはほっこりしました。とても楽しくインタビューさせていただきました。今後一層のご活躍をお祈りしています。
取材担当:太田陽菜(言語文化学部ドイツ語1年)

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