サンクト・ペテルブルク大学に派遣留学中の土田真紀子さんが、現地で和楽器の演奏者として日本文化を紹介するイベントに参加しました。
以下に土田さんの報告を紹介します。
2018年11月11日(日)、「ロシアにおける日本年」及び第15回「日本の秋」フェスティバル行事として、在サンクト・ペテルブルク日本国総領事館主催で、クリエイティブスペース「トカチ」にて「サンクト・ペテルブルクの日本の日」が開催されました。
会場内には折り紙教室、書道教室、将棋・囲碁コーナー、日本語会話クラブ、茶道、そして剣道や合気道をはじめとする武道の実演など様々なブースが設けられ、子どもから大人まで沢山の人で賑わっていました。特設ステージでは、和太鼓の演奏、北海道庁の職員の方による北海道のプロモーション、着物や浴衣の着付けデモンストレーション、日本映画の上映、アニメの上映などが行われ、そちらも大盛況でした。
私はそれらのステージ発表の一環として、知り合いのロシア人の先生と友人の日本人学生と一緒に、和楽器のアンサンブルで「さくらさくら」と「いつも何度でも」を演奏させていただきました。 外大では和楽器サークル「伯牙会」に所属し三味線を担当しており、ペテルブルクまで自分の楽器を持って来ていたので、このような機会をいただくことができてとても嬉しかったです。
サンクト・ペテルブルクに来てからは週に一度、中心街にある日本語センターで和楽器のセッションをしています。日本人は三味線の私、お箏の友人に加え、ロシア人の方も三味線を弾いたり尺八を吹いたりすることが好きな方が集まって一緒に演奏します。
この日本語センターでも、日本文化を紹介するイベントが度々行われます。11月24日(土)には「日本の秋」というイベントが開催され、日本語を学ぶロシア人の学生による和歌の朗詠や「あやとり」の実演、クイズ大会などが行われました。このイベントでも、先の「サンクト・ペテルブルクの日本の日」と同じように和楽器(三味線・箏)の演奏発表をしました。
これらのイベントに和楽器奏者として参加して、ロシアには日本文化に興味のある人が沢山いることに驚きました。時には日本人よりも知識が深いのではないかと思うくらいに日本文化に詳しい方もいらっしゃいます。私が楽器を持って会場内に立っていると、沢山の方が話しかけてくれましたが、特に多く言われたことが「三味線(もしくは箏)は写真では見たことがあったけれど、実物を見て生で音を聴くのは初めてだ」「サンクト・ペテルブルクには三味線を弾ける人が少ない」ということです。インターネットのある今の時代、知識を仕入れることは難しいことではありませんが、興味のあるものに実際に目で見て触れる機会はそう多いものではないということを実感しました。今後も積極的に機会を見つけてイベントに参加し、ロシアで和楽器をはじめとする日本文化に興味をお持ちの方々と沢山交流をしていけたらと思います。
東京外国語大学言語文化学部ロシア語科3年
サンクト・ペテルブルク派遣留学
土田 真紀子