本学の国際化構想と本事業

国立大学の中で唯一の外国語大学である本学は、世界の言語とそれを根底とする文化・社会に関する教育研究を目的として設置され、現在では、世界の14地域、28言語を対象とする教育研究を行う、他に類例を見ない大学です。本学は2014年5月に、10年後を見据え、第三期中期目標として「世界の言語・文化・社会の研究教育を通じて、世界諸地域の人々と協働し、地球的課題に取り組むことのできる多言語グローバル人材を養成する」という国際化構想を打ち出しました。

具体的には以下の3つから成っています。

  • 留学促進や教育の国際化を進めることで本学学生のグローバル化を図り、多言語グローバル人材を育成します。
  • 世界の日本語・日本教育拠点を支援することで世界に向けて「日本発信力」強化につなげます。
  • 日本の他大学との共同利用事業を展開し、「TUFS ネットワーク中核大学創成宣言」を策定するなど大学の世界展開に向けた教育環境の構築を支援します。

本学で学べる言語数は74(主専攻言語28、主専攻語以外46)に及びます。2017年度の学部留学者数は、短期・長期合わせて1547名です。72か国・地域に203機関もの海外協定校を持ち、積極的な交流を行っています。

一方、本学が取り組む世界展開力強化事業(ロシア)の目的とは、母国語に加え2つの外国語(本学の学生はロシア語と英語、ロシア協定校の学生は日本語と英語)を駆使できる語学力と多様なビジネス分野に関わる応用力を備えた、卓越した日露ビジネス人材育成であり、貿易・金融、観光・交通、農水産業、製造業・IT、医療通訳、報道、文化交流等の多様な分野で日露経済活動を活性化させることにあります。この日露ビジネス人材も正に国際化構想に記した多言語グローバル人材と軌を一にするものであります。

さらに本事業の遂行そのものが、「ロシアの生活環境大国、産業・経済の革新のための日露経済協力プラン」の第8項目である「両国間の多層での人的交流の飛躍的拡大➠大学・青年等の交流、観光客の増大、スポーツ・文化等の幅広い分野での人的交流の抜本的拡大」に資することにつながります。