舞台芸術をサポートするインターンシップ実施

2019年6月10日(月)-13日(木)

 ロシア国立人文大学に留学中の大塚菜央さん劇団「俳優座」舞台芸術をサポートするインターンシップに参加しました。

1944年に誕生した「俳優座」は日本の新劇運動を代表する劇団です。劇団創設者には、世界的に有名なロシアの演出家、スタニスラフスキーによる『俳優の仕事』を日本語に翻訳した千田是也や、テレビドラマ『水戸黄門』で水戸光圀公(初代)を演じた東野英治郎がいます。俳優座は国民的俳優を次々と輩出しており、その代表的な役者には、栗原小巻や市原悦子、仲代達也、加藤剛、田中邦衛などがいます。また、俳優座はロシアとの所縁が深く、劇団の旗揚げ公演がゴーゴリの代表作『検察官』だったことは有名です。その後、俳優座の舞台ではドストエフスキーやトルストイ、チェーホフ、ゴーリキー、アルブーゾフ、ヴァムピーロフの作品が上演されてきました。

-1 大塚さん
通訳サポートをする大塚さん

今回のインターンシップは、文化庁の助成を受けて実施されたロシア・ツアーにおける通訳サポート業務です。ツアーはオムスクとモスクワの二都市で開催され、いずれも好評を博しました。上演された作品は俳優座養成所出身の作家、斎藤憐が1982年に発表した戯曲「クスコ―愛の叛乱」(演出/森一)で、ロシアでは初演でした。大塚さんは劇団スタッフとロシア側の劇場スタッフの間で音響、照明、舞台製作上の業務に関わる通訳を行ったほか、日々のアテンド業務で通訳サポートを担当しました。

以下、大塚さんの感想です。

舞台関係の仕事というと、役者さんや裏方さんなど、直接作品にかかわる仕事を思い浮かべてしまいがちですが、制作会社の方やコーディネーターさんなど、たくさんの方が関わっていらっしゃることを知りました。今後の就職先を考えるにあたって、視野が広がりました。また、ツアー・スタッフの中には、ご縁があって参加してらっしゃる方も多く、人と人とのつながりの大切さを実感しました。


*インターンシップ実施概要

実施日時:2019年6月10日-6月13日
実施場所:スタールィ・アルバート劇場(Filippovskiy lane, 11-2, Moscow,  Russia, 119019)
劇団「俳優座」様のご対応:森一様(俳優座取締役、演出家、俳優)
参加者1名:大塚菜央さん―言語文化学部4年