若葉台小学校・国際理解の授業で交流

2020年1月29日(水)

本学のロシア語専攻の4年生(及川 結さん)とロシアからの受入学生2名が東京都稲城市立若葉台小学校を訪問し、出張授業を行いました。これは昨年2月に行った同様の交流イベントに続く第2弾となります。

以下に及川さんの報告を原文のまま掲載いたします。


言語文化学部ロシア語科4年 及川 結

(左から)ユリアさん、及川さん、ターニャさん

若葉台小学校6年生の国際理解を深める授業にて、ロシア語やロシア文化を紹介し、子どもたちと交流する機会を得ることができました。今年度は、本学のロシア人留学生であるターニャ(ロシア国立人文大学)とユリア(サンクトペテルブルク国立大学)、そしてプレゼンターとして私(ロシア語科4年)も同行致しました。

同小学校では、国際保護者交流会 “Bridge International Parents Fellowship” がさまざな活動を展開しており、その一つが Bridge the worldです。各学年ごとに年1回「国際理解の授業」を実施しています。外国に在住経験のある保護者や外国出身の保護者が中心となり、地域にお住いの外国出身者やその国に精通した方をお招きして異文化理解及び交流を継続的に行っています。

授業の様子

昨年度本学の留学生3人が参加した、同様の4年生向け授業が好評だったこともあり、Bridgeの皆様から再度オファーをいただき実施に至りました。今回は6年生4クラスを2クラス合同×二時間に分け、さらに「ロシア語を学び現地での留学経験を持つ日本人学生」という立場で私が授業の司会進行を務め、自作のパワーポイントを用いて授業を進めました。関係者の方々との打ち合わせを経て内容を決定し、子どもたちが楽しんで授業に参加できるよう工夫を重ね、参加型・対話形式の学習を促しました。

以下が実際の授業内容です。

・東京外国語大学紹介
冒頭に新井先生より本学の概要を説明いただき、中学校進学を控える6年生たちの興味づけを行いました。卒業式の27言語挨拶のビデオを再生すると、子供たちは真剣に見入っていました。

・ロシア語学習体験
ロシア語で用いる33のキリル文字を全て紹介し、ロシア人学生に続いて一緒に発音をしました。面白い形をしている文字・形は同じでもアルファベットと違う読み方をする文字に、子どもたちは興味津々でした。また簡単な挨拶を紹介し、お友達同士ロシア語で自己紹介をするアクティビティーを実施しました。数名の児童にはロシア人学生の前で発表してもらいましたが、素晴らしい発音に彼女たちも驚いていました。

・ロシア クイズ
「ロシアってどんな国だろう?」という子どもたちの疑問に答えるため、地理・気候・民族・衣食住にまつわる知識を全7問三択クイズ形式で紹介しました。一人一人の子供たちが積極的に参加しており、様々な意見が飛び交いました。中でも「都市間の移動に約7日間の鉄道旅」・「氷点下以下の1月平均気温」・「180もの民族が暮らす多民族国家」など、日本に住む小学生には想像し難いロシア事情に衝撃を受けたようです。

・質問コーナー
最後に子どもたちからロシア人学生への質問を受けました。「好きな日本の食べ物は?」・「得意なことは?」・「どんな小学生でした?」など、授業終了のチャイムが鳴るまで多くの質問がありました。

授業後、ロシア人学生と私の3人は子どもたちと一緒に給食を食べました。6年生全員が平等に交流できるよう、全4クラスを順番に回りました。どのクラスでも男女問わず会話を楽しんでおり、授業を通じて興味を持ったことを質問したり、「スパシーバ」・「ダスビダーニャ」など覚えたてのロシア語を披露してくれました。一クラス辺りの時間は短かったものの、児童たちのロシアへの大きな関心を身をもって感じ非常に嬉しかったです。彼らと日本語で楽しく交流し、有意義なひと時を過ごすことができたロシア人学生たちも満足している様子でした。

授業を見学していたBridgeの皆様、そして若葉台小校長先生からも直々にお礼の言葉をいただき、イベントの成功を実感致しました。

今回は卒業を間近に控える私にとって学生最後の活動であり、本学ロシア語科で培った知識の集大成として、有終の美を飾ることが出来ました。このような貴重な機会を与えて下さった若葉台小関係者の皆様、そして新井先生には感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました。

ユリアから届いたメッセージ:
この授業への参加は、自分の国や言語について教える素敵な機会だと思います。クイズの答えがまったく予想外だったときの子どもたちの反応を見るのはとても楽しかったです。そして、授業のあと子供たちと一緒に給食を食べながら文化交流ができました。色々なことについて積極的に尋ねられました。今回のイベントを通じ、子どもたちがロシアやロシア語に興味をもってくれたならとても嬉しいです。

授業の後、ブリッジの皆さんと

参考資料: Bridge Times Vol.3 (今回の訪問についての記事 – PDF