日露学生フォーラム2018に参加して

平成30(2018)年5月30日

日露学生フォーラム2018に参加して

東京外国語大学
国際社会学部ロシア地域専攻2年
兵藤 大介

5月18日(金) ~ 19日(土)に札幌にて開催された日露学生フォーラムに参加させていただきました、ロシア語科2年の兵藤大介です。今回は日露交流をテーマに日露の各大学から様々な専門分野の学生が集まり、主にエクスカーションとディスカッションを通し有意義な時間を過ごすことができました。バックグラウンドが大きく異なる学生が集まったことで、ロシアと一口に言っても経済、医療、農業など様々な切り口があることに気付かされた一方で、「交流はお互いの文化を知ることから」という意識を共有することができたからです。 またこのような実践的な経験を通し、その根底にあるツール=英語、ロシア語への意識が高まったのは言うまでもありません。

まず18日の午前中はエクスカーションとして北海道開拓の村に行きました。北海道は明治時代に政府主導で開拓が進められた土地であり、保存された建造物や展示を通しロシア人とともに当時の歴史を学ぶことができました。午後から始まるディスカッションを前にエクスカーションを通してロシア人と和やかな雰囲気で会話をすることができたのも大きな収穫でした。(写真①、②参照) 私のグループのロシア人は全員日本語が堪能であったため、会話は英語と日本語で行われることが多かったです。しかし、日本人学生側もロシア語を積極的に使うことでロシア人との距離を縮めやすくなるのだと体感しました。日露学生フォーラムという名の下で行われる以上ディスカッションで得られた成果が注目されやすいのは当然のことですが、こうして一緒に歩き、話しながら歴史を学んでいくことにより、体験した人にしか実感できない交流、このフォーラム期間にとどまらない関係を築くことができたと感じます。当初プログラムの最後に予定されていたエクスカーションをディスカッションの前に組み込んだのは、ディスカッションをリラックスした状態でできるようにとの配慮があったのではと考えています。

 午後は分けられたグループごとにディスカッションを行いました。そこでは日本とロシアの文化の差が焦点となることが多かったと感じました。私たちのグループでは結局Mutual understanding between Japan and Russiaとまとめたプレゼンを行い、日本とロシアの文化の差を尊重しつつ双方でお互いの文化をシェアしていこうと提案しました。(写真③参照)

 その後各グループから選ばれた代表者2名が19日のフォーラム本番でのプレゼンに向けて準備を進め、その他の学生はstudent union設立に向けて話し合うことになりました。私はグループの代表者に選ばれたため、他グループの代表者と各グループのプレゼンを一つにまとめるための話し合いをしていました。

 各グループでの話し合いはそれぞれ特徴があり一つにまとめるのは困難でした。そんな中結局私たち代表者グループの方でもstudent unionに焦点を当ててディスカッションを行うことになりました。最終的には代表者グループから4人を選んでフォーラム本番でのプレゼンを行なったのですが、私はこれには選ばれなかったため、パワーポイントの作成など裏方にまわることとなりました。このフォーラムには文部科学大臣をはじめ、各大学で日露交流を司る方々が集まっていました。私たちは彼らに、student unionを設立することがいかに日露交流促進に寄与するかをアピールしようと考えながらプレゼンの準備を進めました。結果、この構想は一定の評価を得たのではと手応えを感じています。我々学生の方でもstudent union の構想は現在進行形で進んでおり、今後が楽しみなところです。

写真① 「北海道開拓の村」でのエクスカーションと交流

ガイドさんの説明を聞きながらロシア人学生と一緒に歩きました。

写真② 「北海道開拓の村」でのエクスカーションと交流

写真③ 「日本とロシアの相互理解」をテーマにディスカッション
相互理解のためにお互いの文化の相違点について話し合いました。

写真④ 「フォーラムを終えた参加学生との集合写真」(筆者は後段右端)