言語文化学部3年の及川結さんが、サンクト・ペテルブルク大学に派遣留学中に現地の子どもたちに日本語を教えました。その舞台となったのは、サンクト・ペテルブルク市クラスノグバルデェイスキー地区の第四児童図書館です。
以下に及川さんの報告を紹介します。
期 間
2018年5月10日〜同6月26日まで週1回のペースで計8回。
動 機
日本料理店で日本文化イベントを組織したことをきっかけに、知人の紹介を通じて日本語を教える機会を提示いただきました。日本に対するロシア人の関心は年々高まっており、日本語教育に興味を示す保護者の方が一定数いることに感動しました。また、元々単なるロシア語学習以外にも日本文化普及活動を中心とした「ロシアにいる日本人ならではの活動」に積極的に取り組んでおり、ロシア人の関心や需要に答える形で関わることができる素晴らしい機会だと考え、快諾しました。
活動内容
毎週一回、自分で用意したオリジナルの教材を使いながら授業を行いました。会話・文字練習の2分野が中心だったが、対象が4~6歳であったため、45分の授業に集中して取り組めるよう内容に様々な工夫を凝らしました。例えば、ひらがなの練習ではただテキストに文字を書き込むのではなく、「あいうえお動画」を繰り返し見せることで視覚的・聴覚的にも楽しく、記憶に定着するようにしました。最後の授業では、今まで扱った会話事項の総まとめとして保護者の方の前で日本語自己紹介発表会を行い、今までの授業の成果を保護者の方々にしっかりアピールしました。
業務を通じ学んだこと・感想
元々子供と関わることが大好きであったため楽しく授業をすることができましたが、幼少期の子供たちがいかに日本語に関心を持ってもらい、飽きないようなコンテンツを発信していくかは非常に難しく苦労しました。しかし手作りのテキストに真剣に取り組み、覚えたての日本語で挨拶をしてくれる子供たちの姿・私のつたないロシア語を褒めてくださる保護者の姿が大きなモチベーションになりました。言語を教える上で最も大切なのは「いかに効率よく言語習得をさせるか」ではなく、「いかにその言語・文化に興味を持ってくれるか」であると強く実感しました。
今回の活動は私の留学生活の誇れる経験の一つであり、そのような機会を与えてくれた生徒・保護者・児童図書館職員の方々には心から感謝しております。